
日常生活で突然起こるトイレのトラブル。
「レバーを回しても水が流れない」「でも、タンクには水が溜まっている」…このような状況に直面すると、戸惑いや不安を感じる方も多いでしょう。
トイレが使えないというだけで生活の不便さは一気に増し、特に家族が多い家庭や来客時には深刻な問題になりかねません。
トイレの不具合は、水が出ないというパターンだけではなく、「水は出ているのに流れない」といった、一見矛盾しているようなケースも多く見られます。
こうしたトラブルは、タンク内部の構造や排水機構に問題があることが多く、症状に合った正しい対処が求められます。
今回は、「トイレの水が流れないけれど、水は出る」という症状について、原因の特定方法、解決に向けた対処手順、注意すべきポイントまでを解説します。
本記事のポイント
・原因の特定方法、解決に向けた対処手順がわかる
・注意すべきポイントがわかる
焦って対処する前に、まずは原因を正しく理解し、落ち着いて対応できるように備えておきましょう。
トイレの水が流れない原因
まずは、トイレの水が流れない原因についてご紹介します。
トイレの水が流れない原因
1, 排水路や便器内部の詰まり
2, タンク内部の部品不良や接続の問題
①排水路や便器内部の詰まり
最もよくある原因は、排水口や便器内部の詰まりです。
トイレットペーパーの使いすぎや異物の投入、経年による汚れの蓄積などにより、便器のS字トラップや排水管が詰まると、水が流れてもスムーズに流れきらず、戻ってきてしまうことがあります。
この場合、タンクには正常に水が溜まり、レバー操作で水が流れても、排水されるべき水の経路が詰まっているため、結果的に「水は出るのに流れない」状態になります。
②タンク内部の部品不良や接続の問題
もう一つの原因として考えられるのが、トイレタンク内部の部品の不具合です。
特にフロートバルブ(ゴムフロート)やチェーンの外れ、レバーと連結する部品の破損などが挙げられます。
タンク内に水は溜まっていても、レバーを引いても排水弁が開かなければ、便器には水が流れず、まるで水が止まっているような状態になります。
このような場合は、タンクの蓋を開けて内部の状態を確認することで、問題を突き止めることが可能です。
トイレの水が流れないけど水が出るのはなぜ?
「水が出るのに流れない」という現象は、一見すると矛盾しているように思えますが、実はタンクと便器の仕組みを理解することで納得がいくものです。
トイレのタンクに水が供給されている状態であっても、タンク内部の排水装置が正しく作動していなければ、水は便器へと流れません。
レバーを回してもチェーンが切れていたり、フロートバルブがうまく開いていなかったりすると、水がタンク内に残ったままとなり、便器には水が届きません。
また、タンクから水は流れているのに、便器側の排水経路が詰まっている場合も、見た目には水が出ているようで「流れていない」状態になります。
こうしたケースでは、単に「水が流れない」とだけ捉えるのではなく、「どこまで水が来ていて、どこで止まっているのか」を見極めることが重要です。
問題の箇所がタンク側なのか、便器・排水管側なのかによって、適切な対処法が大きく変わってきます。
トイレの水が流れない場合の対処法
次に、トイレの水が流れない場合の対処法についてご紹介します。
トイレの水が流れない場合の対処法
1, タンクの蓋を開けて内部を確認する
2, 便器の排水部分が詰まっていないか確認する
3, 部品の劣化が見られる場合は交換する
①タンクの蓋を開けて内部を確認する
まずはタンクの蓋を外し、内部の状態を目視で確認します。
レバーと連動するチェーンが外れていないか、フロートバルブがスムーズに開閉しているかをチェックします。
チェーンが緩んでいたり外れている場合は、手で掛け直すだけで正常に動作するようになることもあります。
②便器の排水部分が詰まっていないか確認する
タンクから水が流れているのに便器内の水が動かない場合は、便器内または排水路の詰まりが疑われます。
ラバーカップ(スッポン)を使って、詰まりを解消できるか試してみましょう。
奥深くの詰まりには、ワイヤー式の排水クリーナーなども有効です。
無理に押し込むと悪化することもあるため、慎重に行いましょう。
③部品の劣化が見られる場合は交換する
フロートバルブやレバー、チェーンなどに劣化が見られる場合は、ホームセンターやネットで部品を入手して交換するのが最も確実です。
特にゴム製のフロートバルブは年数が経つと変形したり硬化したりするため、定期的な交換が必要です。
交換時には型番や形状を確認して、対応する製品を選ぶようにしましょう。
トイレの水が流れない時の注意点
最後に、トイレの水が流れない時の注意点についてご紹介します。
トイレの水が流れない時の注意点
1, 力任せにレバーを操作しない
2, 異物を流そうとしない
3, 無理に分解や改造をしない
①力任せにレバーを操作しない
水が流れないからといって、無理にレバーを強く引いたり回したりするのは厳禁です。
内部のプラスチック部品やチェーンが破損してしまい、かえって状態が悪化する可能性があります。
あくまでやさしく操作し、それでも動かない場合はタンク内を確認するか、専門業者への相談を検討しましょう。
②異物を流そうとしない
トイレの流れが悪いときに、誤って固形物や異物を押し流そうとするのは非常に危険です。
詰まりをさらに奥へ押し込んでしまい、排水管全体をふさいでしまうことがあります。
水があふれたり、修理費用が高額になるリスクがあるため、まずは目視で確認し、無理な処置は避けましょう。
③無理に分解や改造をしない
タンクの内部構造は複雑な場合も多く、特に近年の節水型トイレや一体型トイレでは、専用の工具や知識が必要なこともあります。
知識がない状態で分解をすると、保証対象外になるケースや、修理が難航するリスクもあるため、DIYでの修理に不安がある場合は、早めに水道業者など専門家に依頼するのが安心です。
水まわりのトラブルは熊本水道サービスへ
「トイレの水が流れないけれど、水は出る」という症状には、タンク内部の不具合や排水の詰まりといった原因が隠れていることが多くあります。
焦って力任せに操作したり、無理に異物を流そうとしたりせず、まずは冷静にタンク内と排水経路の状態を確認することが大切です。
ただし、症状が重い場合や原因が特定できない場合は、無理せず専門業者へ相談することをおすすめします。
普段からトイレの使用状況に気を配り、異変を感じたときには早めに対応することで、快適な生活環境を保つことができます。
いざというときに慌てないよう、正しい知識を持って備えておきましょう。